こんにちは。

日本ヘルスの管理薬剤師の黒岩と申します。

これから季節の移ろいとともに、感じたことを発信させていただこうと思います。

日本ヘルスで漢方に携わってもうすぐ16年になります。

漢方の世界は深くてまだまだ知らないこともたくさんありますが、皆様とともに歩んでいければ幸いです。

暑くて長かった夏。

ようやく秋を感じさせる風が吹くようになりましたが、まだ暑い日もあれば、急に涼しくなることもあります。
このような季節の変わり目に、体調を崩す方も増えているようで、「秋バテ」という言葉を耳にします。


今回はいわゆる「秋バテ」の原因と対策について考えてみようと思います。
「秋バテ」とは「夏バテ」(夏の疲れ)が持ち越された症状も多くあります。
特に今年はコロナ禍に加えて酷暑であったため、夏の疲れがまだ溜まった状態である方も多いことでしょう。
また、天候不順や日中と夜間の気温差によって、自律神経の働きが乱れると体調不良が起こりやすくなります。


自律神経の乱れによって、倦怠感、肩こり、体の冷え、胃もたれ、下痢などの症状が現れてしまいます。
自律神経を整えるには、規則正しい生活と十分な睡眠、そして運動が重要です。
熱帯夜の続いた夏に、睡眠リズムが乱れてしまった方もおられると思います。


夏バテ、秋バテの解消法として、質の良い睡眠をとるためには、よく言われていることですが、就寝前までスマホ・パソコンなどを見て眼にブルーライトを浴びないこと、なぜなら就寝前にブルーライトを眼に浴びると、体内時計の睡眠と覚醒のリズムが乱れるからです。


また、朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びることがあげられます。
起床後に太陽の光を浴びることによって体内時計がリセットされ、またセロトニン(脳内の神経伝達物質のひとつで、ストレスを緩和してくれ、これが低下するとうつ病を引き起こすといわれている)の分泌が促進され、こころを安定させる働きをしてくれます。


食生活では良質なタンパク質(鶏むね肉や豚肉・レバー・卵・青魚等)や発酵食品(ヨーグルトや納豆等)などのセロトニンを増やす食品を中心に、バランスの良い食事を摂ることが基本となります。


気象病及び天気痛:台風や秋雨前線が近づいて気圧が変動するときに起こる、様々な体調不良については、前々回の小欄をご参照ください。


いずれの場合も、長期間続くだるさや、突然の激しいめまい・頭痛が発生した場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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連日猛烈な暑さが続いています。


皆さま熱中症対策をしておられることと思いますが、マスク生活で水分補給のタイミングが難しい方や、暑くて食欲不振の方も多いことでしょう。

そこで今回は、熱中症対策について、食生活と水分補給の観点から、考えてみたいと思います。

漢方では食材も体を温める方向にするものと、体を冷やす方向に働くものとに分ける考え方があります。

特に夏にとれる作物には冷やす方向に働くと思われるものが多いようです。ウリ科の野菜であるキュウリ・ゴーヤ・白瓜や、果物であるスイカ・メロン等、またなすびやトマトも体を冷やす方向に働く食材とされています。

どれも旬の食材で、比較的安価に手に入りますから、これらを上手に献立に取り入れて、食欲増進や栄養のバランスを図っていくのも効果的ですね。


現代のように野菜や果物に季節感がなくなっているのは科学の進歩かもしれませんが、その季節の作物・地元でとれたものをいただくのが、健康のためにも経済的にも合理的です。

ただ、「冷え性」の方は、漢方において体を冷やす方向に働く果物は摂らないほうがよいとされています。

また、暑くて食欲のない日には、ついつい素麵など、喉を通りやすい食事で済ませがちになります。ただ、素麵だけではたんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがち。さらに冷房された室内で素麵のような冷たい麵類を飲み込むと、内臓を内側から冷やすことになり、夏冷えを引き起こします。


「冷え性」の方は夏冷え対策として、素麵ではなく暖かいにゅうめんにして召し上がってはいかがでしょうか。

次に、水分補給の注意点について述べます。


1.    朝起きてすぐは脱水状態です。お水を飲んで新陳代謝を促しましょう。
2.    食事中にも水分を摂ってください。
3.    汗をたくさんかいたときには、塩分を含む飲み物(スポーツドリンクなど)を摂りましょう。
4.    入浴前後に水分補給をしましょう。
5.    就寝前にコップ一杯の水を飲み、就寝中の脱水予防をしましょう。この際、高齢者はトイレが近くなるからと水分を控えがちですが、睡眠時の脱水症状はこわいので、むしろトイレで起きる度に枕元に置いた水を飲む習慣をつけましょう。

そして、マスコミ等で周知の注意事項ですが、エアコンを適切に使いましょう。設定温度は個人差もありますが、28℃以下、湿度は50~60%を目安にしてください。気温が低くても湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、熱中症になる危険が高くなります。例えば、気温が25℃以下でも湿度が70%以上あるときは注意が必要です。
温湿度計を利用されることをお勧めします。

漢方では、「暑気あたり、夏やせ」など、いわゆる`夏負け`の改善に、清暑益気湯(セイショエッキトウ)などが使われます。
しかし、急性の熱中症の症状が出た場合、迷わず医療機関で治療を受けてください。

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全国的に梅雨入りしました。

この季節になると雨が多く、湿度が高く気圧の変動も大きいため、関節痛、古傷が痛む、頭痛やめまい、肩・首のこり等が出る、気分的にも憂鬱になるといった体調不良を訴える方が多いようです。

これらの不調は、「気象病」あるいは「天気痛」と言われて認知されるようになってきました。

 

雨が降る前には気圧が低くなる、すなわち今の時期は小さな低気圧が次々と日本上空を通り過ぎることが多いので、気圧の変動回数が多い季節です。

 

私達の身体は通常、1気圧の圧力を受けて内外のバランスを保っているのですが、低気圧になると空気が身体表面を押す力が減ります。

すると、関節の中の圧力が相対的に高まり、関節が腫れ、神経や痛みを感じる細胞を刺激し、さまざまな痛みが起こる原因にもなります。

 

では、頭痛やめまい、肩・首のこり、気分の落ち込みなどについてはどうでしょうか。

私達の耳の奥には気圧の変化を察知する「内耳」があります。この気圧センサーが症状に大きく関係しています。

内耳が気圧の変化を察知すると、自律神経が乱れ、交感神経が過剰に優位になります。すると血管が収縮し、血行が悪化し、頭痛やめまい、肩・首のこり、気分の落ち込みなどの体調不良を引き起こしやすくなります。

 

これらの天気痛の予防策は、耳周りのマッサージや首周りのストレッチを行って自律神経を整えます。

耳周り・首周りには自律神経の束があります(東洋医学ではツボ)。

漢方薬では、天気痛による頭痛には、水毒を取る「五苓散」が有効とされています。

 

また、自律神経のバランスを保つために肝心なのは、やはり、規則正しい生活・食事・適度な運動が大切です。

毎日ぬるめのお風呂に入ってリラックスし、過剰になった交感神経の活動を鎮め、副交感神経を優位にするのも効果的です。

 

注意すべき点は、身体の不調を気象病と思い込んでいたら、深刻な病気である場合もありますので、症状が続く方は医療機関を受診しましょう。

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新型コロナウィルスのオミクロン株の流行も、ようやく収束の気配をみせてきました。

以前のような社会的な生活がおくれない状態が長期間続き、他人と関わる機会が減って、「物忘れがひどくなったのでは?」と心配している方もおられるでしょう。

そこで今回は脳の健康を保ち、長く人生を楽しむ方法について考えてみましょう。

認知症は脳の神経細胞が壊れてしまうことなどによって起こり、原因となる病気によっていろいろな種類があります。

最も多いのが「アルツハイマー型認知症」です。アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積して神経細胞が減少し、脳の萎縮が進行する病気です。初期症状は物忘れなどの記憶障害として表れる事が多いようです。病気が徐々に進行すると、日付や場所もわからなくなり (見当識障害)、また家事や行動の段取りが出来なくなり、自立生活も難しくなります。

次に多い認知症は、「血管性認知症」があげられ、脳梗塞、脳出血などの脳卒中が原因で、脳細胞が障害されて起こります。脳卒中後遺症の手足の麻痺、言語障害を伴うことが多いです。

また、状態が良い日と悪い日の症状の変動幅が大きい事や、症状の悪化は階段状に進行する事が多いとされています。

その他、「レビー小体型認知症」など、認知症の種類は様々です。

では、どうすればこれらの認知症を予防できるのでしょうか。

身体も脳も使用しないと機能が低下します。適度な有酸素運動で身体機能を上げ、また趣味の活動やボランティア等の社会活動によって、脳機能を活性化すると、認知症の予防に効果があるといわれています。

また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などをしっかり治療することで血管性認知症の予防や進行を遅らせることに繋がります。 タンパク質を多く含むバランスのよい食生活と、散歩や体操などの有酸素運動によって、フレイルと肥満防止。(フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の虚弱な状態)

飲酒・喫煙習慣などの見直し。

睡眠不足などのストレスによりアミロイドβが溜まりやすくなることから、質の良い睡眠をとることを心がける。

そして人とコミュニケーションを取り、社会との関わりを常に維持すること。

新型コロナ禍で、家に引きこもるなど、人と関わることが少なくなると、認知障害が悪化するといわれています。

また、漢方では、アルツハイマー型認知症に対し、「抑肝散」が有効なこともあります。

運動や趣味、他人と関わる社会活動など、好きなことを楽しく続け、人生100年時代において、健康寿命を長く保って元気な高齢期をおくれるよう、心がけたいものですね。

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春です!運動不足を解消しましょう。

 

新型コロナウィルスによる長いまん延防止等重点措置が終わりましたが、出勤される方も、リモートワークの方も、またシニアの方も、これまでステイホームを強いられ、運動不足や体重増加に陥っている方が多いことと思います。

 

外出自粛を続けると、体力、特に筋肉量や心肺能力が低下し、ひいてはシニアの方はフレイル(身体的機能等が虚弱になった状態のこと)になる可能性が高くなります。

また、長期にわたる外出自粛は、太陽光を浴びる機会が少なくなり、うつ状態になりやすくなるとも言われています。

 

そこで、朝日を浴びてのウォーキングはいかがでしょうか?

朝日を浴びることによって体内時計がリセットされ、セロトニン(脳内の神経伝達物質のひとつで、低下するとうつ病を引き起こすと言われている)の分泌が促進され、こころを安定させる働きをしてくれます。

 

そしてウォーキングによって、より効果的に筋肉量や心肺能力のアップを目指すには、コースにアップダウン(坂道や階段)を取り入れるのが理想的です。

 

歩くことによって、足裏を刺激することができ、下半身に滞りがちな血液やリンパの流れをポンプ作用で上に押し上げるので、「足がむくむ」という方にも効果的です。

むくみ(浮腫)がひどい方には、五苓散などの漢方薬が有効です。

 

まずは春の朝日を浴びて、近い所からでも歩いて出かける習慣をつけてみましょう。

きっと一日、爽やかな気分で過ごせますよ。